レスキュードローンのこれからと課題

2020年12月10日 17時53分

レスキュードローンは水難救助、初期の捜索活動、そして監視活動に有効だと考えられています。人が近づけない場所に迅速に到達することが可能で、ひとりでも多くの命を救うために、性能アップが望まれます。
 
またドローンは、災害時などの情報収集に威力を発揮します。たとえば、地震や台風などで道路が分断されてしまった場合でも、ドローンで上空から情報収集することで、被災状況を把握したり、緊急車両を誘導したりすることができます。ドローンは、水難事故や遭難事故が発生した際の、最初の一手として有効なのです。
 
ドローンは、現在、捜索活動で多く利用されているヘリコプターとは違い、飛行中の羽音が小さいため、遭難者や被災者が発する声を拾うことも可能です。赤外線カメラによる体温感知も可能で、遭難者の生死まで、ある程度判断が可能です。
 
レスキュードローンは、災害発生時に孤立した集落などに救援物資を運ぶ役割も期待されています。水、食料の他、暑さや寒さをしのぐための物資輸送への利用が考えられます。
 
レスキュードローンの課題
雨風に弱い。オールウェザー化が必須
レスキュードローンにとって、常に飛行可能であることは重要でしょう。しかし、現在のドローンにはこの点で限界があります。雨や雪に耐えられる防水ドローンはありますが、やはり風の影響は大きく受けてしまいます。気象条件に左右されることはある程度仕方がないとしても、ドローンのレスキュー利用にとって風雨を克服することは、大きな課題でしょう。
 
荷物の運搬能力
救命具を運んだり、支援物資を運んだりという役割が期待されるレスキュードローンですが、やはりその運搬能力には課題があります。運搬用のドローンでも10キロ程度ですから、改善の必要があるでしょう。
 

 レスキュードローンはドローンの星

ドローンが一般的になってから数年が経ちます。登場当初の高性能機種は、なかなか手の届くものではありませんでしたが、現在では性能に優れたドローンの価格もこなれてきた印象があります。ドローンは現在、各方面でその活躍が期待されていますが、レスキュー用途のドローンについては、期待の度合いも桁外れです。国や地方自治体もレスキュー用途のドローン利用に大きな関心を寄せており、ドローン市場の活性化につながるでしょう。